

左から、デュルク・ド・ブラネール・デュクル2008、ブラネールデユクリュ2011、2010、2009、2006、1999
6月2日
ソムリエ協会のセミナーでした。
講師はシャトー・ブラネール・デユクリュ オーナー、パトリック・マトロー氏、そして田崎真也氏。
ブラネールデユクリュはボルドー・メドック地区のグランクリュで格付けは第4級のシャトーです。
マトロー氏によると、シャトー ブラネールデユクリュが目指すワインは『力強いパワフルなものでなく、繊細さがあり、エレガントなワイン』
今回試飲したものは、『シャトー・ブラネールデュクリュ2011、2010、2009、2006、1999・・・と、ヴィンテージを遡って、
そして、セカンドワイン、『デュルク・ド・ブラネール・デュクリュ2008』。
どれも、一貫してマトロー氏の考え方(繊細でエレガントなワインを目指す)が貫かれています。
セカンドワインとは若い樹の葡萄や厳しいシャトー物の基準に達しない葡萄から作るワイン。醸造方法はグランクリュワインと同じです。
2011年はもうちょっと寝かせる必要あり。
2010年と2009年は飲み頃に入っているように感じられました。但し、2010年は果実味中心(香りはカシス・ブラックベリー、それらのコンフィ、コンポート、バニラ、皮、胡椒・ナツメグ)2009年は果実味は残しながらも、明らかに熟成が深まっています。
2006年となると干した果実、干し草、土、腐葉土、枯葉、マデイラ酒を思わせる酸化熟成香。
1999年は古酒の風格。グラスの淵の色をみるとオレンジ色で(これはワインが熟成しているサインなのです。)煉瓦色がかっている。香りも味わいも非常に複雑。
ワインの味わいは単純に、何年経っているかだけで決まるものではありません。年毎の気候が関係します。ヴィンテージです。
マトロー氏によると、2010年、2009年、2005年はボルドーにおいて偉大な年。
2011年と1010年を比べてみると、果実味の凝縮度、ヴォリュームが違う・・・。
2006年は2009年と比べても、タンニンが舌に残る感じ。田崎先生は酸、タンニンが引き締まった感じと解説。
決して、2010年、2006年が悪い年というわけではありません。(難しい年であるにはちがいありませんが。偉大な年では作り手が苦労することなく、素晴らしいワインに仕上がるとか。
難しい年こそ、ワイナリーのうでの見せどころなのでしょうか。)
ワインには、ヴィンテージによる個性があるのです。ビールでは聞いたことがないし日本酒だってワインほどじゃありませんよね。
そこがまたワインの面白い所ですね。
私にとってグランクリュクラスのヴィンテージ違い試飲は初めての経験!
思いっきり勉強になりました。